昔話

【与論の昔話】怪物と牛

昔話

~ 怪物と牛 ~

与論島麦屋勇清渡見、家の西側に与論町有の岸本池がある。

この池の集水面積は、広範囲で遠くは、朝戸大道田袋からの水量が流れてくる。

池の東口は大きさ深い洞穴があって、洞穴の奥には、

予想の出来ない程の水量が漂っているとの話が伝わっている。

そこの地下池には「怪物」が住んで居るどの噂も伝わっている。

或日、近くの農家の人が牛に水を飲ませるために

池の端に牛を繋いでから畑仕事に行き、帰りに寄って見たら繁いだ牛が居ないので、

調べたら牛の網は繁がれたその儘であった。

男は不思議に思い人々に事情を話して聞いて見た。

昔からこの池には、「怪物」がいるとの噂が流れているので、

「怪物」に呑まれたであみうど言う人々の意見であった。

或日子供を連れて、女が池の端で子供を泣し乍ら洗濯をしていたら、

子供の泣声を聞いたのか、生まれて見た事のない

物凄い頭体の大きい怪物が立髪を垂らして水中から現われてきたので、

女は大変驚き洗濯物も取らず、子供を連れて急ぎ足で其の場を逃げた。

この事を聞いた部落住民は、噂だけは聞いていたが

事実この池に「怪物」がいるのか早速部落民が寄合って

一晩中真剣な協議を煉り、協議の結果は粟飯を炊き壷に入れて、

水の漏らないように封じて、「怪物」に飲ませる事に決め早速実施の運びとなった。

実施してから丁度半年立ち、大雨の大供水となったところ、

碾石臼の太さの背骨が、古里鵜木前勝氏の家の後の大溝に流れ

「怪物」が死んだ証拠が現れ、

岸本池の「怪物」は死んだと部落住民は大変喜んだと言う話。

コメント