昔話

【与論の昔話】カッパ

昔話

~ カッパ ~

昔、那間山本富士雄の祖父故浦浜氏が夜の潮干狩(イダイ)のため、

宇加智の浜に行きました。

当夜は東に煌々と月が照り好夜の浜辺で、浦浜氏が浜辺に降りると、

黒豚が横になって寝ていました。

浦浜氏は不思議に思い、この野郎と声をかけて足で蹴ったら、

起き上がったのは豚ではなくカッパの生体であった。

カッパは不意に浦浜氏を背負投げで、頭を砂に突込んで、

両足を直立の姿にしてしまいました。

浦浜氏は驚いて立ち上がると、カッパは、二人相撲をやろうと話しかけてきたので、

浦浜氏はよし、やろうと答えたら、カッパは、私の頭に触れてはならないと語りました。

浦浜氏は予て、カッパの事情はよく知り尽くしていたので、

「頭の上に水皿が載せられて、この水をゼロにすると力は全くない」と知っていた。

浦浜氏とカッパとの相撲取組となった。

浦浜氏は、技を施すとき頭に載せた水皿を払い落しました。

ところ、カッパは何の力もなく易々と負けました。

カッパは立腹して、頭に手を触れるなと言ったのにと文句を訴えました。

浦浜氏は、技をすると気が付かないで、触れて失礼しましたと答えたら、

カッパは、残念そうに其の場を去りました。

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