ヰンジャゴー
与論町大字麦屋2087-1番地
ヰンジャゴーは西区集落のほぼ中央部に位置する標高50mの地点にある井戸です。
自然湧水を水源に利用した井戸と考えられていますが、
水量は豊富で昭和期の中頃以前に比べて水量が少なくなったという話もありますが、
現在でも枯れることなく透明な湧水を湛えています。
また、このヰンジャゴーには羽衣伝説が伝わっています(以下、筆者の改訳が入ります)。
昔、天女が水浴びをしていたところ、その姿に心を奪われた正(ショウ)の若者が
天女の羽衣を隠してしまいました。羽衣がなく天女が困っているところ、
その若者は素知らぬ顔で天女に助けの手を差し伸べました。
この若者の行動に心打たれた天女は、その後自分の羽衣を隠した男性とは知らず、
その若者と結ばれることになりました。二人の間に子どもが生まれ、
幸せな生活を送っていましたが、子どもが家の高倉に羽衣が隠してあることを
歌って遊んでいるのを聞いた天女は、羽衣を取り返して天に帰ってしまったというお話です。
このほかにも、井戸の隣には古い鍛冶屋跡が伝わっており、
与論島の歴史や民俗を語る上でも大変重要な井戸です。
参照文献
与論町誌編集委員会編1988『与論町誌』与論町教育委員会
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